課題レポート執筆時、参考になるウェブサイト

20190610日(月)
こんにちは、月曜日11-13時と金曜日15-17時にLALAデスクにいます、ジェンダー社会科学専攻のジャニスです。

レポートの書き方全般については時間があるときにぜひLALA文庫などから、ご自身のニーズに合った書籍を選んで読んでみることをおすすめします。

時間がなく本を読めと言われてもどれを読めばいいか分からないときはどうしましょう? ウェブ上の情報を参考にするとなると、どのサイトの情報が信用でき、ご自身のニーズに合っているのかを判断する必要があります。Googleなどの検索エンジンで、調べたいキーワードに加えて、site:ac.jp と入れてウェブサイトのドメインを限定すると、日本の教育・学術機関にほぼ絞って調べることができます。

今回はわたし自身が参照しているサイトをいくつかご紹介します。時間がないときだけでなく、余裕があるときにも(!)おすすめできるサイトばかりです。

■ 論文の書き方(台湾 育達商業科技大學応用日本語学科 内山和也先生のサイトから)
http://web.ydu.edu.tw/~uchiyama/ron/index.html
日本語の学術的な文章を書くうえで、たとえば標準的なレポートの体裁など、書籍ではあまり丁寧に解説されていない「常識」を含めて確認することができます。

■ レポート課題に備える
http://www.cshe.nagoya-u.ac.jp/asg/prepareessay.html
名古屋大学生のためのアカデミック・スキルズ・ガイド(http://www.cshe.nagoya-u.ac.jp/asg/)のなかの1ページで、レポートの課題が出たときに、具体的に何をするべきなのかを解説してくれています。このガイドは各ページと冒頭に参考文献情報もあります。ここから使えそうな本を見つけて実際に手にとって読んでみるのもいいかもしれません。

■ 社会学評論スタイルガイド
https://jss-sociology.org/bulletin/guide/
日本社会学会(https://jss-sociology.org/)が公開しているスタイルガイドです。句読点の打ち方から文献リストの作り方まで、分野ごと・ジャーナルごとに論文のスタイルは異なるものですが、社会科学系の課題レポートで担当教員から指示がなければ、このスタイルに沿って書くことができます。
一続きの文章で使用されるスタイルは一種類。全体を通して一貫性が必要です。一編のレポートで特定のスタイルを使うことに決めたら、他の論文誌のスタイルを混ぜて使ってはいけません。

■ Purdue Online Writing Lab
https://owl.purdue.edu/owl/purdue_owl.html
米国インディアナ州のパーデュー大学が運営・公開しているライティング・ラボのサイトです。英語のライティングで迷ったらたいていの情報はここにあります。とくに表紙の作り方や引用の方法、APAやChicago、MLAといった異なるスタイルごとの解説が丁寧です。完成版のサンプル・ペーパーが出ているので、どういう見た目になるのかが分かりやすいです。

知っていると便利!外国語論文にみられる略号

20180719日(木)
 

暑い日が続いています。いかがお過ごしでしょうか?
あと半月ほどで夏休みですね。卒業論文・修士論文の研究のための論文集めは進んでいますか?研究論文を読む時には、本文を熟読するのは当然として、註や参考文献をあらためて見てみると、未知の研究に気づくこともあるかと思います。ひとつの論文を読むと、芋づる式に新たな論文や視点がみつかることもありますよね?

 

外国語の論文を読むと、日本語の論文では見かけない「略号」が出てくることがあります。私が卒業論文を書いていた時に、論文の註に“ibid.”という表記があり、「”ibid.”ってどんな本なんだろう?なんでも載っているすごい本なんだ!」なんて思っていました。今思えば恥ずかしい限りです(;_;)。以下のリストに示すように、”ibid.”とはラテン語の「前掲書」という意味の略号です。このように略号にはラテン語の略号がよく使われています。

 

そこで、皆さんご存知かもしれませんが、外国語論文に見られる主要な略号を以下に紹介します。


A

anon.

anonymous

作者不詳の、匿名の

B                                     

b. born 生まれ

Bd.

Band

C                                   

c.,©

copyright

著作権

c., ca.

circa

約、略(ラテン語)

cf.

confer (= compare)

比較、参照、参照せよ

comp.

compiler

編纂者

D                                         

d.

died

Diss.

Dissertation

学位論文

do.

ditto

同前、前述の(イタリア語)

E                                         

ed.

editor

編(集)者

eition

e.g.

exempli gratia (= for example)

enl.

enlarged

増補された

et al.

et alii, et aliae (= and others)

およびその他

etc.

et cetra (= and so on)

など

ex.

exanple, example

用例

F                                         

f., ff.

and the following pages

及びそれに続くページ

fac., facsim.

facsimile

複写、複製

fasc.

facscicle

分冊

H                                         

hb., hbk.

hardback

ハードカバー本(本装丁)

Hft.

Heft

分冊、号(ドイツ語)

Hg.

Herausgeber

編者

hrsg.

herausgegeben

出版された、編集された

I                                         

ibid.

ibi'dem

前揚誌、同誌(ラテン語)

id.

idem

同上、同書(ラテン語)

i.e.

id est

すなわち

ill., illus.

illustration

挿絵、実例、図解、図入り

inf.

infra

下に、以下に

intro., introd.

introduction

序文

L                                         

l., ll.

line (s)

l.c., loc.cit.

loco citato

上記引用文中に(ラテン語)

M                                       

mimeo, mimeogr.

mimeograph

謄写版印刷物(手稿コピー等)

m.s., mss., MS

manuscript (s)

原稿、写本、草稿

N                                         

n.d.

no date of publication

出版年不明

no.

number

n.p.

no place of publication

出版地不明

n.pag.

no pagination

頁づけなし

O                                         

op.cit.

opera citat

前掲書中に(直前ではなく以前に引用した文献を再度引用)(ラテン語)

P                                         

p., pp.

page (s)

ページ

par.

paragraph

節、段落

pat.

patent

特許

pb., pbk.

paperback

ペーパーバック本

pl.

plate

図版

plural

複数の

pref.

preface

序文、前置き、はしがき

pseudo.

pseudonym

雅号、ペンネーム

Pt., pt.

part

部、部分、分冊

pub., publ.

publisher

出版者

publication

出版物、逐次刊行物

published by

~の出版

R                                         

rev.

review, reviews

評論誌

rev.ed.

revised edition

改訂版

rpt., repn.

reprint, reprinted

重版、再版

S                                         

S.

Seite

ページ(ドイツ語)

sec., sect.

section

節、段落、欄、条(法令)

ser.

series

双書、シリーズ

[sic]

=so, thus

原文のまま(ラテン語)

s.l.

sine loco(=no place of publication)

出版地不明

s.n.

sine nomie(=without name)

出版者不明

supp.

supplement

補遺

T                                         

t., tom.

tome

、冊(フランス語)

tab.

table

リスト、目録

tr., trans.

translator, translation

訳者、翻訳

V                                         

viz.

videlicet

すなわち(ラテン語)

v., vol., vols.

volume (s)

Z                                         

Z.

Zeitschrift

雑誌(ドイツ語)

 


よかったら活用してみてください!
上記の略号は、論文注や、外国語論文の中でもよく見られます。
LALA文庫(C10)の『レポート・論文の書き方 上級 改訂版』の第2部論文の体裁 IV 略語(p.55-64)も参考にしてみて下さい。図書館で所蔵
しています(請求記号: 816/Sa47、図書ID: 015010077368)。



#後藤

投稿論文のために

20180413日(金)
こんにちは。LALAのカンです。

論文を執筆、投稿する際は、不安と緊張感が半々でしょう。
論文を投稿するために、どのようなレディネスが必要でしょうか。一緒に落ち着いて簡単に整理しましょう。

投稿先を絞り込みましょう
どのような研究分野の論文を投稿しますか。
研究論文、実践報告、研究ノートなど、どの種類の論文を投稿しますか。
投稿期限はいつですか。
投稿規定、投稿手段は何ですか。
↓↓↓
投稿内容をまず学会で発表しましょう
ポスター発表、口頭発表、とちらでも良いので、ともかく投稿内容を発表してみましょう。
学会発表によって得られたコメントを検討し、批判的に自分の研究を見直しましょう。
コメントに基づき、投稿論文を吟味しましょう。
↓↓↓
さあ、いよいよ投稿しましょう
まず、自分でもう一度論文内容を確認して、冗長な情報を削り、分かりやすく、簡潔に直しましょう。
次に、引用をきちんと確認して、剽窃が必ずないように注意しましょう。剽窃は厳禁です!!!
そして、先輩、指導教員など、誰かに読んでもらって、論文を書き直しましょう。批判的な読者が絶対必要です!!!
最後に、投稿規定に合わせて、論文の書式を見直し、投稿しましょう。
↓↓↓
論文の審査結果を待ちましょう
少し緊張しながら論文の審査結果を待ちましょう。
二重投稿は絶対禁止です!!!
↓↓↓
論文の審査コメントに基づき、改訂しましょう
審査コメントを完全理解し、改訂対応表を作成しましょう。
審査者へ尊重、感謝の気持ちを持ち、必ず丁寧に書き直しましょう。
コメントを先輩、指導教員にも見せ、どのように対応するかを相談しましょう。
相談を乗った上、論文を推敲しましょう。
論文改訂の際には集中力が絶対必要です。他の作業はまずやめて、たっぷり時間を持って改訂を専念しましょう。
再提出の期限を守りましょう。
↓↓↓
リジェクトされてもがっかりしないで修正加えて再投稿しましょう
リジェクトは悲しいことである一方、大きな励みでもあるので、がっかりしないで再投稿しましょう。
審査コメントは是非活用して、求めれらる改訂を考えましょう。
同じ学術雑誌に再投稿しにくい場合は、他の雑誌に投稿してチャレンジしましょう。

**************************************************************
かなり簡単にお話しておりましたが、論文投稿はそれ以上の努力が求められるでしょう。
論文がアクセプトされるように、一緒に頑張りましょう!!!
LALAの私たちはいつでも応援しておりますので、是非ご相談ください!!!



#レポート・論文
#カン


初歩的なレポート課題を書く(3)―まとめ

20180130日(火)
前回は、主観的な文章と、論理的な文章の目的の違いについて考えました。
今まで比べてきた二つのタイプの文章には大きな違いがあります。
作業工程の初期段階で「相対化」を行わなければいけないかどうかが、特に大きく異なるところでしょう。

しかし、主観的な文章にしろ、論理的な文章にしろ、実は文章構想の起点となる部分は同じです。
それは、文章のテーマを「発想する」ということです。
主観的な感性で、今関心を抱いていることやどうしても注目したいことを掴みとり、次に、言葉にするのです。
文章の論理性が強くなればなるほど、「言葉にする」段階で、より一般的な概念にあてはめたり、他の事柄と比較したりすることで相対化を行う必要性が強くなるでしょう。

レポートを書くにあたっては、見聞きしたあらゆる事柄からテーマをキャッチする発想力と、既存の言葉を用いてある概念の中に組み込んだりして「発想」を相対化する力の両方が必要となると言えます。
そして、有意義な課題設定につながる「発想」を多様にできるか、様々な「発想」の中からその時に適切なものを絞り込むことができるのか。
これらは、次の段階である相対化したり論理的にまとめたりする作業がスムーズに進むかにも関わる大変重要なことです。


ですから、初歩的なレポート課題やコメントシートなどには、発想のトレーニングとして主観的な姿勢を大事にするものがあるのだと、私は考えています。
一般的には、初歩的な段階では、まず、論理的な文章の枠組みを身に着ける必要があると思われます。
しかし、その他に、発想の柔軟さが枠組みに制限されることのないようバランスを取りながら、自分なりの発想を持つこともできなければならないと考えます。

レポート課題の指定が変則的で、書き方のマニュアルにも当てはまらずに困る場合は、まず、その課題が、文章や思考トレーニングのどの地点に当たり、特に何の力を強化しようとしているものなのかを考えてみるとよいでしょう。
発想なのか、それとも発想の概念化なのか、立場の相対化なのか、調査の進め方なのか、結果や検証の整理の仕方なのかによって、課題への取り組み方は変わります。
一連の作業のデモンストレーションを試みよ、という場合もあるかもしれません。

考えた上で疑問に思ったことは、担当の先生にお聞きしてみるとよいと思います。
図書館の平日開館日には、LALAデスクでもご相談を受け付けています。

なお、これまで述べてきたこと以外に、レポート課題では、作業を通して「書き方のルール」を身に着けることが求められています。こういった「ルール」については、当ブログではマーヤさんが主にまとめてくださっている他、LALA文庫の本で解決する場合も多いです。
ぜひ参考になさってください。

#みあ








初歩的なレポートを書く(2)ー立場を相対化させる

20180123日(火)
前回は、小論文と読書感想文の性質を比べながら、レポートに求められる要素を考えました。

・小論文で課されるような、「論理的思考に基づいて、テーマに沿った、説得力のある文章を仕上げること」
・読書感想文で課されるような、「柔軟な視点を持ち、自分なりの思索を深め、課題に対してオリジナリティのある向き合い方をしてきたことを文章で表現すること」

この両方がレポートでは必要とされ、出発点は柔軟な視点や自分なりの思索、ゴールは、課題に対する論理的な追究と文章化とまとめられると述べました。

それでは、「柔軟な視点を持って思索すること」と、「課題に対して論理的に追究すること」の違いはどこにあるのでしょうか?
それは、一言で言えば、「自分の立場を相対化しているかどうか」だと思っています。

感想は、自分の感じたことを軸として展開できるものです。ですから、その文章の中で、自分自身の視点が絶対化されていて良いのです。
しかし、論理的な文章で自分の視点を述べる際には、具体的な根拠を示して立場を相対化する必要があります。
そうしなければ、客観的な見解としての説得力がないからです。

感想文が、中で展開される書き手の世界観に読み手を引き込み、共鳴させることを目的とする文章だとすると、
小論文などの論理的な文章は、自分の視点を読み手を含む外側の世界に投げ入れ、外側の世界にある具体的な事柄と関連づける文章と言えます。
別の事象との関連づけを行うことによって、自分の視点が自分の視点だけではなくなり、普遍性を持った事柄として読み手に認識される可能性が高まるのです。

もちろん、感想文などの主観的な文章でも、ある程度の論理的な組み立ては成されることと思います。
秩序がなければ文章として内容のまとまりがなくなり、読み手が理解できるものではなくなるからです。
しかし、多少の飛躍や、他者には想像できないような独自の関連づけが文章の味として評価されることもあるのが主観的な文章の特徴でしょう。

以上の事柄を踏まえて、初歩的なレポート課題に取り組む時に考えたいことを次回にまとめたいと思います。

#みあ