授業外でジェンダー論を学ぶ機会と『身体を引き受ける』読書会へのお誘い

20191018日(金)
こんにちは、月曜日11-13時と金曜日15-17時にLALAデスクにいます、ジェンダー社会科学専攻のジャニスです。

勉強仲間を見つけたいと思ったことはないですか? 大学の授業のなかでは学びきれないことを学びたい場合や同じような関心のある人たちとつながるにはどんな始め方があるでしょう。

今回の記事ではジェンダー論やジェンダー研究について知りたい場合を考えてみます。またタイトルにあるように学内サークル主催の『身体を引き受ける:トランスジェンダーと物質性のレトリック』読書会についてご案内します。

■ 本を使って学ぶ
ジェンダー論やジェンダー研究の入門書や概説書はたくさん出ています。
一冊まるごと読まなくてもかまいません。気に入った章をいくつか選んでみるところからスタートすることもできます。たとえば…

● 江原由美子, 山崎敬一編『ジェンダーと社会理論』(2006、有斐閣)367/J36
●『ジェンダー研究のフロンティア シリーズ』(2008、作品社)367/J36/1〜5
● ジェイン・ピルチャー, イメルダ・ウィラハン著 ; 片山亜紀訳者代表 ; 金井淑子解説『ジェンダー・スタディーズ』(2009、新曜社)367/P65(場所はリベラルアーツ資料LA5)
● 木村涼子, 伊田久美子, 熊安貴美江編著『よくわかるジェンダー・スタディーズ : 人文社会科学から自然科学まで』(2013、ミネルヴァ書房)367/Y79
● 千田有紀, 中西祐子, 青山薫著『ジェンダー論をつかむ』(2013、有斐閣)367.8/Se58


どの本もお茶大図書館にあり、それぞれの行の最後は請求番号です。お気づきのようにどれも、36「社会」7「家族問題. 男性・女性問題. 老人問題」の棚に並べられています(お茶大付属図書館では一般図書の棚のほか、図書館2階の一角の「ジェンダー研究所」の棚、またリベラルアーツ資料の棚などにあります)。当然その周囲にも関連する本が並んでいます。

開架式のよいところは、じっさいの棚を眺めて、興味をもったものを手にとって読むことができるところです。その利点を存分に活用しましょう。

棚を見ていると、たとえばこんな本にも出会うかもしれません。
● 伊藤るり, 坂元ひろ子, タニ・E・バーロウ編『モダンガールと植民地的近代 : 東アジアにおける帝国・資本・ジェンダー』(2010、岩波書店)367.2/Mo13
● ベル・フックス著 ; 柳沢圭子訳『アメリカ黒人女性とフェミニズム : ベル・フックスの「私は女ではないの?」』(2010、明石書店)316/Se22/73(場所はリベラルアーツ資料LA5)
● 河野真太郎『戦う姫、働く少女』(2017、堀之内出版)367.2/Ko76
● 斎藤美奈子『モダンガール論 : 女の子には出世の道が二つある』(2000、マガジンハウス)(2003、文藝春秋)367.2/Sa25
● 徐阿貴著『在日朝鮮人女性による「下位の対抗的な公共圏」の形成 : 大阪の夜間中学を核とした運動』(2012、御茶の水書房)367/So11

またお茶大ジェンダー研究所の『ジェンダー研究』はバックナンバーも含めてオープンアクセスになっています。http://www2.igs.ocha.ac.jp/gender/
たとえば、2019年7月31日刊行の第22号(通算39号)に掲載されている本山央子「武力紛争下の〈女性〉とは誰か:女性・平和・安全保障アジェンダにおける主体の生産と主権権力」[PDF]は国際関係の言説実践を読み解いていく手法が面白くおすすめです。

■ セミナーや講座を受講する
学内のセミナーや外部の講座を受講してみるのもありです。

気をつけたいのは、一般に参加にかかる料金と主催者の著名度は比例するものの、それらと内容準備の程度が比例しないという点です。有料や高料金だから親切だったり、有名であったり偉い人が講師だから充実していたり、大学でやっているから高度な内容を扱うわけではないですが、逆にいえば無料や低料金でも親身になって対応してもらえたり、世間一般では無名だったり偉くない人から議論に深く踏み込んだ質問にこれ以上ないほど的確な応答をしてもらえることもあります。市民団体がやっているから内輪向けのわけでもありません。

可能であれば参加を決める前に講師役の人の名前などで検索し、その人が書いた文章を少し読んでみるといいでしょう。逆に本や記事を読んだことがある人の講演会や講座に行ってみることもできます。

ジェンダー論や研究だけでなくフェミニズムの市民運動に関心がある人も多いかもしれません。(いま現在参加者が募集されているわけではないかもしれませんが)都内で比較的安価で学べる・つながれる場所にはたとえばこんな活動があります。

● ふぇみ・ゼミ~ジェンダーと多様性をつなぐフェミニズム自主ゼミナール〜 http://femizemi.blogspot.com/
● 「アジア女性資料センター」のユースグループ活動ページ http://jp.ajwrc.org/category/youth/youth_new

自主的な学びの場は、参加者が「お客さん」扱いされなかったり、講師役の人との関係も「先生-生徒・学生」のような上下関係が弱かったり、比較的幅広い世代の人に出会えたりすることも多く、大学とは違った刺激があります。

■ 読書会や勉強会に参加する
さまざまな場所で読書会や学習会、勉強会が開かれています。一般的な読書会は、指定の文献をそれぞれの参加者が事前に読んできたうえで、内容理解を深めたり他の人の感想や意見を聞いたりするものです。講演会などと比べ、少人数で能動的な学びの場になることが多いです。

お茶大学内ではGSFサークル主催で『身体を引き受ける:トランスジェンダーと物質性のレトリック』367.6/Sa53 という本の読書会が2019年11月19日 (火) 10:40- から企画されています。ジェンダー社会科学専攻の院生が中心になっているもので、ジェンダー研究、なかでもトランスジェンダー論やトランスジェンダー研究に関心がある人や、広く身体論に関心のある人におすすめです。続けての参加はもちろん、一回だけ、一部の回だけの参加も可能です。第2回11月21日以降は、木曜12 :30-14:30に予定されていて、2020年2月まで続きます。https://twitter.com/ochagsf

ほかに定期的に開かれており情報が一般公開されている読書会には、国際基督教大学のジェンダー研究所で毎学期2シリーズずつ開催されているものがあります。http://subsite.icu.ac.jp/cgs/event/bookclub/

ご自身の関心に近く参加可能な会を見つけるのはそれほど容易ではないかもしれませんが、読書会形式の勉強会はさまざまなところで開かれています。一つ目の会を見つけるとそのあとは数珠つなぎで見つかることがあるので、とりあえず参加できるものがみつかったら一度飛び込んでみるのもいいかもしれません。

ところで、ジェンダー論から少し射程を広げて視点をずらすクィア理論系の読書会はわたしもご紹介できるかもしれません。関心のある方がいたら、気軽にお尋ねください。

#ジャニス