読書について

20171220日(水)
こんにちは。ナターリアです。

皆さん 読書には様々な種類があり、 読み方は読む目的によって変わることを知っていますか。

テキストを注意深く読むことは大事ですが、読むべき文献の数を限られた時間で読むことは困難です。しかし、大事な内容をもらさず読むことは可能です。
今回は、先行研究を選ぶ目的で、研究作業で役に立ちそうな読み方を紹介したいと思います。手元にある文献が自分の研究のテーマに当てはまるものかどうか、使える内容かどうか、判断するために速読できると便利ですよね。
この場合、「飛ばし読み」「斜め読み」の方法が一番お勧めです。

「飛ばし読み」方法:
1. 先ず、文献の題名、目次、各章と節の見出し、著者の履歴を読む。
2. そして、得た情報から文献の内容に対するイメージを想像してみる。
この段階でも手元にある文献が自分の研究に必要かどうか、ある程度わかると思います。
もし、役に立ちそうだと判断したら、次に進みます。
3. 内容を確認する。
しかし、文献の種類によって内容の確認方法や読み方は違います。以下に詳細に説明します。
 3.1. 例えば、複数著者による図書・論文・レポートの場合、各著作物の概要、始まりとおわりを読むことは先です。なぜならば、この3箇所↑に目的、研究方法、調査の概要、結論が挙げられているからです。
 3.2. 図書でしたら、章・節など、本の構成を参考にし、内容を速読します。そのため、読み始める前に、見つけたい情報に関連するキーワードの整理をします。キーワードが目立ち、より読みやすくなります。

内容を速読したい時に役立つのは、「斜め読み」方法です。以下にいくつかのポイントを取り上げます。

1) 眼球を自由に動かす
2) 視点をテキストの限定された箇所ではなく、全体に置く
3) できるだけ多くの情報を把握するようにする
4) 眼球は斜め、例えば,横書きの場合、左上から右下へ動く
5) テキストに大事に思える内容が出て来たら、そこはより丁寧に、ゆっくり読む
6) 余計な(直接に関係がない)情報もあるかもしれないので、こうした部分に注目を当てないようにする
7) テキスト全体を読み終わるまで再読せず、しおりを付けて、短いメモをする。(もし、大事そうな情報があれば(5)を参考にする)
8) 読み終わってから、重要に思ったところだけを再読

ただ、今回取り上げた2つの方法を上手く使うためには、条件があります。
① 読書自体に慣れること。日常的に本をたくさん読めば読むほど、読む習慣を身につけることができます。そして、この習慣は研究を行うプロセスで生かせます。
② 読む際は、一語ずつ読まないこと。テキストを絵のように認識する。

個人的に、速読できるということはとてもいいことだと思いますが、速度で記憶に残るのはわずかな一部だけです。
情報をより確実に覚えたい時は、再読すること、そしてメモを取ることが必要です。

最後になりますが、以上に取り上げた読み方は小説などには、使わないほうがいいと思います。研究を読む目的とは違うからです。

#ナターリア

他言語の相手と文献

20171211日(月)
こんにちは。ナターリアです。 

 今回このテーマについて書くことにしたのは、研究を行う皆さんには調査などで外国語を使う人もいらっしゃると思いますし、また、論文などを書く際、外国語の文献を読んで理解したことをまとめて自分の論文で用いることがよくあると思ったからです。

 なぜ他の言語を話す相手や文献を理解することは難しいのでしょうか。そして、なぜ誤解は起こるのでしょうか。

「言語」とは、語彙、発音、文字、文法だけではないですね。こうしたものは勉強すれば覚えられますが、一番難しいのは、ネイティブの話し方を理解し、そして、自分の話し方を意識的に相手の言語の使い方に合わせて使うことのではないかと思います。
話し言葉の場合、文化の一部である非言語的なアスペクト(ジェスチャー、表情、気持ちを表しているイントネーション)はお互いの理解に対して大きな影響を与えると思います。その際に、無理解や誤解が起こることがあります。

 しかし、書き言葉の場合でも、文化的な背景の違いなどにより互いの理解が難しくなることがあります。
話し言葉も書き言葉も、母語話者の話し方、考え方が反映されているという説があります。以下の図を御覧いただければわかりやすいと思います。

 まずはOriental言語についてご説明します。
oriental.png
 Orientalには、日本語を含めたアジア系の言語が含まれます。Oriental言語を話す人はこの図のような話し方をするようです。長く、曖昧で、テーマを遠くから始めて少しずつ本題に近づいていく話すスタイルなので、他言語話者にとって話の本質を捕まえにくいです。

 次は、Englishの図ですが、↓の形のように、とてもストレート、はっきり、本題をクリアに説明する話し方をする意味を表しています。
english.png

 この図からもわかるように、日本語ネイティブと英語ネイティブの話し方はあまりにも違うため、お互いに自分の考え方を分かりやすく伝えるのは、なかなか難しく見えますね。

 ちなみに、他の言語を母語とする人の話し方も違います。

 例えば、私の母語であるロシア語です。
russian.png

 始まりと終わりの間に全く違うタイプの線があります。ロシア語ネイティブは話す時、英語のようにストレートに話さず、トピックを始めて、途中にテーマをいきなり変えることがよくあります。話者は冗談を交わしたり、経験したことについて意見交換をしたりしています。ロシア語ネイティブではない人から見たら、テーマに全く関係がない話のように見えますが、実際に、話しているロシア語話者は話中に出てくるテーマは全て繋がっているという意味で話しています。最後に忘れずにトピックに戻ってきて、本題を教えます。

 他には以下のような話し方があるようです。
semitic_romance.png

 興味がある方、詳しく調べて見てください。
 ちなみに、私はこの情報をロシアの文献に見つけましたが、話し方の図は下記の書物から引用しています。
Savignon S.J. Communicative competence. Theory and Classroom Practice. – McGraw-Hill, 1997.
図のタイトル:Dominant Patterns of Formal Written Discourse in Major Language Groups.

#ナターリア


理解すること,伝えること(5)-まとめ

20171201日(金)
以上をふまえて、まずは理解する側であるときに意識できそうなことを考えてみたいと思います。

理解する、という場合に、相手の主張の基本的な要素(主題と、主題の根拠となる部分)を正確に抑えておくことはもちろん大切です。
しかし、私たちが書いたり話したりする内容のまとまりには、基本的な要素の他に、「こうであってほしい」などの願望や、「ここを強調すべきだから強調する、ここはそこそこでいい」という、力を入れて示す部分とそうでない部分のばらつきなどが含まれているものです。根っこが一緒でも、枝葉が違うから、ひとりひとりの伝えるものが変わってくるのです。

物事を伝える際、枝葉はとても大切ですが、受け取る際、枝葉の部分をうまくキャッチできなかったり、同意できなかったりするのは仕方のないことです。
(もちろん、枝葉の部分が主題やその根拠の証明にどうかかわっているかをクールに検証する配慮は必要でしょう)

また、主題やその根拠について、とりあえず一度相手のに合わせてみて、「ふーん」と思ったからと言って、そのままそのを自分の中に保ち続けていなくてもよいと思います。デフォルトで持っている自分の認識パターンに戻って、相手のと自分のとを比べながら一休みできたらいいですね。
そして、できるだけ完全にに合わせたいと思う場合でも、力及ばずだったり、心理的に抵抗があったりする場合は、無理をしなくてもよいでしょう。
完全に合わせることはそもそも無理がありますし、型の違いから何かを学ぶ方が、おそらく両者にとって得るものが大きいからです。

理解のためにある程度を合わせてみた後、自分の作ったと相手の持っているとの違いを考察する時、伝える側と理解する側の関係は双方向に開かれます。

伝える側としても同じことだと思います。

何をどう伝えるかを考えるとき、一番大事なのは、主張(主題)とその根拠の部分です。
気持ちの上では、その主張を持つに至った動機や経緯の方が大切で、相手に知ってもらいたいと思うこともあると思いますが、個人的なことになればなるほど、枝葉末節部分になればなるほど、相手と共有することは困難になるでしょう。(もちろん、主張内容や根拠を理解してもらうために必要な部分を選んで、具体例として盛り込むことは重要です。)
伝えるにあたっては、とりあえず主張(主題)とその根拠を押さえてもらうことのみを受け手への期待とするとよいでしょう。

枝葉末節の部分は、主張にその人らしさやオリジナリティを付与する役割はあっても、主張から独立したオリジナリティをアピールする役割もなければ、主張から独立して理解される必要もないのです。
また、もし、相手から何かレスポンスがもらえる場合、相手のと自分のがどう違うのかを考えてみることはやはり大切なことです。
特に伝える側は、必要であれば型と型とをぶつけあって、自分の型を変形させられるくらいの余裕が持てるといいですね。「理解される」ことを求めたのですから、受け取る側からのアプローチも受け止めることにチャレンジ出来たらいいなあと思います。

どうして伝えるのか、そしてどうして理解するのか。
つきつめると、他者と出会い、出会いを消化することで、自分の可能性を大きくしていくためと言えるのかもしれません。
なかなか難しいことですが、理解する側になってみたり、伝える側になってみたりする積み重ねで、バリエーション豊富なたくさんのが持てると素敵だと思います。

最後はなんだか駆け足になってしまいました。
ここまでお読みくださって、ありがとうございました!


#みあ

LALA文庫のおすすめ本紹介『研究計画書デザイン』

20171129日(水)
こんにちは。LALAのナターリアです。

皆さんはLALA文庫のこの本をみたことがありますか。

細川英雄著者『研究計画書デザイン』
(東京図書、2015年10月)
LALA文庫NoC11
図書館の請求記号:377.1/H94


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「研究計画書デザイン」は研究計画書・論文の書き方に関する知識を深めるものですので、
  • オリジナルな研究計画書を書き上げたい人に
  • 先行研究から他人の意見に吸収することばかり気を取られ、なぜ自分はこの研究を始めたのか、何を言いたいのか分からなくなった人
  • 問題はすでに絞られているが、研究計画書にまとめる作業を難しく感じる人に
     この本を紹介したいです。

なぜこの本は役に立つと思うか、簡単に説明します。

 非常に分かりやすく書いてあるからです。日本語ネイティーブスピーカーだけではなく、日本語を外国語とする留学生も読みやすいものです。

 題名に記載されている課題に応じたものであり、関係のない情報は絡んでいないからです。

 特定の分野ではなく、全ての研究に共通していることが書いてあるので,誰にでも必ず役に立つと思うからです。

著者の細川英雄先生は早稲田大学日本語教育研究科の教授、さらに研究科長として長期的研究に関わった様々活動をれました。現在、言語文化教育研究所八ヶ岳アカデミアを主宰しています。

の研究テーマは教育に関わったものなので、数年前に細川先生の非常に意味深い授業を受けた時期があります。その時、でも理解できるような説明だなと思っていました。その後、論文の構成、書き方に関する先生の本を読み、全く同じことを感じました。

  
細川先生は本の執筆が多く、殆どは先生の研究分野に関わるものです。しかし、一般の学習者に役立つ文献もいくつか発行されていますので、以下に写真で紹介します。

  4.png
紹介した本が皆さんの研究作業に役に立つようでしたら、大変うれしいです!

#ナターリア #LALA文庫

LALA文庫の新刊 その5 : Wordを活用して長い文章を書く

20171124日(金)
先日(10/26の記事)で紹介したように、先月LALA文庫に新刊が13冊入りました。

その中で、今回紹介する本は『データ処理・レポート・プレゼンテーションとOffice2016』(LALA文庫:G8, お茶大図書館には所蔵していないので、興味がある方はLALA文庫所蔵のものを閲覧してください)です。

LALA文庫書影20171114

この本はMicrosoft Officeの中でもよく利用される「Power Point」、「Word」、「Excel」の基本操作とよく使われる機能をQ & Aの方式で説明しています。自分が使いたい機能の使い方がどのページに書かれているかを探す方法も目次と索引の両方から探すことができます。特に、Wordの機能がコンパクトに説明されており、卒業論文・修士論文などの長い文書を書く時ににはとっても便利です。

以前、このLALAブログで、元LALAの高山さんが「Wordの機能を知って論文を作成する」という記事でWordの便利な機能を4つ紹介していましたので、その記事も参照してみてください。
(1)ナビゲーションウインドウを使う
(2)見出しの作成
(3)目次の作成
(4)ページ番号の挿入(ページの途中から)

本書には、上記の記事にはない機能の説明があります。

例えば
 ・よく使う単語(地名・人名など)を登録して使うには(p.101)
 ・文章校正や表記のゆれチェックを行うには(p.128)
 ・文字列を検索する・置き換えるには(p.129)
 ・文書全体の書式を統一するには(p.130)
 ・必要な表や図を挿入するには(p.145-)
 ・表や図に通し番号をつけるには(p.137)
 ・文字数をカウントするには(p. 99)
 ・注(文末注または脚注)を作成するには(p.138)
 ・引用文献(または参考文献)一覧を書式を統一しながら作成するには(p.142)

他にも意外と知られていない便利な機能が紹介されていますよ。
ぜひ論文執筆の際には参照してみてください!

#LALA文庫 #レポート・論文 #後藤