《学生協働WSレポート②》どうやって「協働」しますか?

20181018日(木)
今回は本格的に学生協働WSの体験記を書いていきたいと思います。

全体の流れについては、一緒に参加したLiSAの田村さんがまとめてくださっています。
学生協働ワークショップin東京2018

『図書館と「協働」って、どんなふうに関わっていると思いますか?』

という丸投げの質問を置き去りにして終わった前回記事でしたが、この問いは、WSを通して私自身が抱いたものでもあります。
LiSAの田村さんが記事の中でおっしゃっているように、団体ごとに本当に関わり方が「多種多様」です。

サークル、授業、ボランティア・・・という組織形態の違いからも、図書館サポート/ピアサポートという業務内容の違いからも生まれていますし、そういった団体カラーの背景には、言わずもがな、各大学のカラーも反映されているように思いました。

所属する人間に共通する「カラー」「雰囲気」を肌身で共有する同世代/近い世代が運営に関わることで、施設と利用者のつながりが強くなる、これはやはり、大学に在籍する学生が図書館業務に関わるメリットだと思います。

一方、「グループワーク」では、所属を越えた共通点があるなーとも思いました。
私のグループのテーマは、「大学図書館で”サンバ”はあり? なし?」でした。

当初から、2コの机を組んで1グループとされていて、自分の席の属する机によって強制的に「あり」「なし」の立場が決まっていました。私たちは自分の立場に沿って、理由づけを行い、ディベートを行うことになります。
結局、「なし」の立ち位置になった中にも、「個人的にはありだと思っている」とおっしゃる方もいて、「なし」で挙げられたデメリットを踏まえてメリットの方を詰めていく流れとなり、グループとしても「あり」でまとまりました。

驚いたのは、他の2グループも「あり」でまとまり、結局3グループとも「図書館でサンバ」「図書館で宿泊」「図書館でデザートサービス」という突拍子もない提案を「あり」と判断したことでした。

図書館サンバ

図書館宿泊

図書館デザートサービス


ホワイトボードを見ると、それぞれ、大学図書館としての役割・領分を損なわないようにしつつ、運営の幅を広げることで利用する層を厚くしていこう、利用者のQOLを上げていこう、という意識から話し合いが行われていることがわかります。
領分を守る、ということより、攻めの方向に素直に視点を向けていけるのは、学生だからなのかもしれません。
しかし、ただ年齢が低い、社会経験が浅いというだけではなく、毎日学生として生活する中で、図書館から遠い人々がいることを認識したり、自分の中でも図書館に近い気分の時・遠い気分の時とあったり、もっとこうなったら勉強がはかどるのになあ・・・と思ったり、そういった率直な認識の積み重ねが、グループワークを通して一気に引き出され、共感の中で作業が進んでいったように思います。

とっても基本的なことなのですが、みんな、「図書館という場所を居心地よく、幅広い可能性のある場所にしたいという思いが強いんだな。そうなっていく図書館の姿をイメージできるんだな」と実感しました。

私は学生として最年長だったのですが、楽しく図書館を利用する、ということはだいぶ昔に忘れてきたような気がしています。
勉強とか、課題のために本を借りるとか、だんだん目的がお堅くなってきて、次々に押し寄せる新しいことに圧倒され、本を読まないまま返したり、読んでもわけがわからなかったり、レポートがうまく書けなかったり、「図書館」にマイナスの回路がどんどんできてしまっている自分がいます。
実は今でも図書館に入るときは緊張して、肩に力が入ります(笑)

私個人は、そういう自分を反省材料にして、「居心地よく、可能性のある場所に」という思い方をしがちなのですが、もっとすんなり、「図書館って楽しい!調べるって面白い!だからみんなも楽しもうよ!」と言えたらいいなあ・・・と思いました。

WSのホームページでは、「学生協働」が以下のように定義されています。

”本ワークショップでは、学生協働を次のように定義します。
大学図書館において、学生同士あるいは学生と職員が 共通の目的のため、協力して共に活動すること
期待される効果:
1. 大学図書館の運営・活動の活性化がはかられる
2. 学生の図書館利用が促進される
3. 学生の学習支援につながる
4. 協働する学生自身、職員自身の成長がはかられる”

(2018年10月18日参照)

普段、上記引用にある「共通の目的」というのをなかなか意識しないでしまうのですが、根本的なところを言葉にすれば、やはり「楽しく図書館を利用する」ということになるのかなあと思います。

LALAで行なっている学習支援は、学生を図書館または学内または自宅の机の前で孤立させない、というところで目的に一役買っている、とこれまで私は思ってきました。
ですが、もっと積極的に「図書館って楽しいよ!」って言えたらいいですよね。
最初に『図書館と「協働」って、どんなふうに関わっていると思いますか?』と書きましたが、
つまり、『あなたは図書館とどのように「協働」したいのですか?』という問いに置き換えられるのかなと思います。

これは何も運営に携わる人間だけの問題でなく、利用する一人一人が考えていけたらいいことなのかな、とも思っています。
そういう訳で、ベタですが、もう一度問いを引いて結びとします。

図書館とどのように「協働」したいのですか?


#みあ

初めましてのご挨拶と研究の紹介⑵〜これまでの研究と行き詰った時の打開策〜

20181017日(水)
こんにちは!LALAの木村です。
もうすっかり涼しくなり、過ごしやすい季節となりましたね。
芸術の秋、スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋…などなどたくさんの楽しみ方がある
予定に追われがちな季節でもありますが(笑)、心にはゆとりを持ちつつめいっぱい満喫していきたいですね。

さて、大分時期が開いてしまいましたが今日は前回の続きで、私の研究について少し具体的にご紹介したいと思います。

前回の記事で「音楽学」の多様な様相について簡単に書かせていただきましたが、
私の研究は、その中では「作品研究」にあたります。
一口に「作品研究」と言っても、時代で絞ったり(バロック、古典派、ロマン派、etc…)、編成や形式で絞ったり(オーケストラ作品、オペラ、バレエ音楽、ピアノ独奏、室内楽、etc…)と、これまた無限にやり方があるのですが、
私の場合はとある一人の「作曲家」に絞って作品研究を行なっています。

その作曲家とは、バルトーク・ベーラBartók Béla(1881-1945)です!

「誰……?」という方がほとんどかと思いますが、
バルトークは20世紀前半のハンガリーで大活躍した音楽家です。

彼はもちろんクラシック音楽の作曲家なのですが、それまでの作曲家にはあまり見られない意外な側面を持っています。それは、「民俗音楽」の研究者としての一面です。
彼は、母国ハンガリーやその周辺地域(ルーマニアやスロヴァキア)の農村地域に残る「民俗音楽」をフィールドワークによって収集し、それらを研究する活動も行なっていました。
そして民俗音楽研究から得た知見を、自身の作曲活動に積極的に取り入れていったのです。
農村で収集した民俗音楽の旋律をそのまま用いて、ピアノやヴァイオリンの作品に「編曲」したり、
民俗音楽に特徴的な音楽的要素(例えば、リズムや音階、音楽の構成など…)を抽出し、民俗音楽的なモチーフを自作したりと、
実にさまざまなレベルで自身の作品に民俗音楽を組み込んでいきました。

また一方で、彼自身がピアニストで「演奏家」であり(弱冠10歳にしてソロリサイタルを開くなど、少年期より並々ならぬ才能を発揮していました)、さらに子ども向けのものを中心にピアノ学習の作品を複数残すなど「教育者」としての一面も見せています。

このように、バルトークは色々な“”を持つ作曲家なのです。
私は、これら多様な“顔”を手掛かりとして、彼の作品が持つ独自の魅力を紐解くべく、作品分析を主軸に研究を進めています。


…と、上記のようなことを卒論時代から約4年間続けているのですが、
音楽ないし楽譜というのは、数多の要素が一瞬のうちに統合されているもの。
論文としてひとつひとつ“言葉”に起こしていくことは、私にとっていつでも至難のわざでした(今現在も変わらずです)。
さらに、先述のようにバルトークの作品ではさまざまな側面が複雑に絡み合っているため、それらの“関係性”を描き出していくことも、非常に頭の熱くなる作業です。
(そして、このように複雑な関係性を論述していくという作業は、音楽に限らず他分野でも大いにあることだと思います)

では、そんなとき。作業や思考が滞ってしまった時。どのように打破したらよいか。

最後に、これまでの経験の中で行き詰った時に効果的だった打開策を1つ、簡単にご紹介します。

【他人に見せる】
特に“思考”が滞ってしまい、「どこからどう書いたらいいのか分からんー!」という状態になっている時には、根気よく他人に見せ続けることがかなり助けになりました。
他人に見せるとなると、「ちゃんとしたものを書かねば…」「ちゃんと順序立てて整えたものを見せなければ…」と力が入ってしまい、余計に書けなくなってしまうことがよくあります。
しかし!そういう時こそ“出力”するのです!
頭の中が混乱した、バラバラで支離滅裂な状態で良いのです。とにかくできる所から、思いついた所から、ひたすら文章化していくのです。
私の場合は、定期的に指導教員の先生に個人的な面談をお願いし、どんなに仕上がっていなくても、どんなに書けていなくても、とにかく何かを持って何かを相談しに行く、ということをひたすら続けました。
もちろん、自分の出来の悪さや頭の悪さを惜しげもなく晒していくスタイルですので、そのまま消えてしまいたいくらい恥ずかしい思いもたくさんしましたが(先生方には本当にたくさんご迷惑をおかけしました…汗)、
他人から意見をもらうことで、自分の研究や思考をかなり客観的に見ることができるようになります。視点がガラッと切り替えられます。
体感的には、面談1時間で得られるものは、自分一人で一週間考え込んでも進まないくらいのものです。
「先生方に見せるのには気が引ける…」という場合には、お友達や先輩・後輩(あえて異なる学科の人たちでも良いかもしれません)に見てもらうのでもよいですし、
もちろん、 LALAを訪れていただくのも大歓迎です!
客観的に視点を切り替えられる以外にも、新しい発見や気づきをたくさん得られたりします。
定期的に、半ば強制的に客観的な視点を吹き込んで、風通しをよくすることで、少しずつ“言語化”の歩みを良い方に進めていけるのではないかと思います。


とーっても長くなってしまいましたが、私の研究とこれまでの経験から、少しだけお話ししました。
何かの参考にとまでは言わずとも、「へー、そういう世界があるんだな」と、ちょっとした息抜きにでもなってくれていれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

#木村

《学生協働WSレポート①》「ジャパンナレッジ」の使い方

20181004日(木)
寒暖差や風雨に振り回されっぱなしの今日この頃ですが、皆様お変わりありませんでしょうか?

これから、夏休み中に、附属図書館グローバルラーニングコモンズで開催された「学生協働ワークショップin東京2018」について書いていきたいと思います!

突然ですが、皆様は「協働」って言葉、聞いたことがありますか?
私はLALAになるまであんまりよく知りませんでした\(^o^)/

「ジャパンナレッジ」を引いてみますね!

wskijigazou1.png


ピンクで囲んである、「データベース・電子リソース一覧」をクリックします。
次の画面では、「ものごとを調べる」を選びましょう。


「ジャパンナレッジ」は、続いて表示される選択肢の先頭にあります。説明を引用してみましょう。

百科事典、辞書を中心とした出版各社の50以上の知識・情報源を一括検索できます。多くのコンテンツで情報更新が定期的に行なわれており、最新情報を利用できます。
主な収録コンテンツ:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『日本国語大辞典』『大辞泉』『国史大辞典』『日本歴史地名大系』『ランダムハウス英和大辞展』『東洋文庫』『会社四季報』など。

【DB・電子リソース一覧】お茶の水女子大学附属図書館、2018年10月4日参照

一言でまとめると、大変便利です。

学内の回線につながっている端末であれば使用可能ですが、注意点が一つあります。
それは、学内で同時に2名までしか使用できないことです。

後で述べますが、利用のためにはログインが必要です。
つまり、ログインして使って、ログアウトを忘れて終わってしまうと、一人分利用ができなくなってしまう……ということですね○| ̄|_
その点はお気をつけてください。
さて、ログインしましょう。

「学校・研究機関でのご利用」となっていることを確認してくださいね。

……ここまで書いたところでログインしようとしたら、利用できるアクセス数を超えていますと言われてしまったので、出直します!
まだ使ったことのない皆様は、学内の人口密度が低い時間帯を見計らってぜひ試してみてくださいね。

さて、話題がずれまくってしまったので、「辞典・百科事典の検索サービス - Weblio辞書」で、「協働」(三省堂『大辞林』から)を引いて一旦締めます。

① 同じ目的のために、協力して働くこと。
② 「相互作用① 」に同じ。

「協働(きょうどう)とは - 協働の読み方・全国NPO法人 Weblio辞書」、10月4日参照

図書館と「協働」って、どんなふうに関わっていると思いますか?

という丸投げの質問をして、次回に続きます。

#みあ