LALAセミナーレポ「はじめての研究生活:大学院生に向けて」(後編)

20210524日(月)
皆さん、こんにちは。LALAのカンです。
週末はいかがお過ごしでしょうか。
さて、先週のブログの続きです!

文献検索ツール
主に以下の3つのツールについてご紹介しました。時間の関係で簡単にお話ししましたが、ご参考になりそうなLALAブロブについてご紹介しました。ご関心のある方は、ご一読ください!
① お茶大附属図書館HP:データベース、データリソース
https://www.lib.ocha.ac.jp/db_resource.html
新型コロナ禍で直接来館しなくても、キーワードで検索するだけで、国内外の文献がたくさん入手できます。
② お茶大附属図書館HP:ILL
https://www.lib.ocha.ac.jp/ill_guide.html
お茶大に所蔵のない図書や文献を取り寄せできます。
関連LALAブログ:http://ocha-lala.org/blog-entry-16.html
③ 外部リソース:Google Scholar
査読付き、査読なしについて注意し、慎重に引用することが重要です。

研究生活に必要な参考書

以下のLALA文庫およびお茶大附属図書館に所蔵のある3冊を中心にご紹介しましたが、それ以外にLALA文庫に置いてあり、参考になりそうな本はたくさんありますので、LALA文庫やLALAブログをご覧ください。
① No. C11 『研究計画書デザイン』増補改訂
研究計画書を書くときにはもちろん参考になると思いますが、テーマが決まらない段階から、文章レベルの研究計画書まで、色々ヒントやアドバイスが得られます。
特に新規性のある研究課題や研究計画を立てるために、どうやってテーマを立てていくのか、いろいろ参考になります。
また、専攻分野を問わず全ての分野に共通している書き方について、勉強できます。

② No. D1『留学生と日本人学生のためのレポート・論文表現ハンドブック』
私にとって宝物みたいな参考書です。論文を書くときにいつも近くに置いておきます。
表現のハンドブックですので、辞書のように調べられますし、日本語・英語両言語の説明があって対照的にニュアンスを比べられます。

③ No. B14『レポート・論文をさらによくする「書き直し」ガイド』
ある程度文章が整えられている段階で、もう一度内容を推敲したり書き直したりするときに自己点検をするための本です。具体的な修正案も提示されます!
関連LALAブログ:http://ocha-lala.org/blog-entry-186.html#more

新型コロナ禍の息抜きの方法
昨年から新型コロナの影響で世の中が大変なことになってしまって、私たちも以前の大学生活のように登校ができなくなったり、お家でオンライン授業を受けたり、家にこもっている自粛生活をしています。
私自身の昨年の生活を振り返ってみると、ちょうど今頃、パワーダウンした感じで効率がとても悪かったです。
でも、論文を書かないといけないし、授業を受けないといけないので、効率アップのためにいろいろ試してみました。 
皆さんももしかしたら同じような悩みを抱えているかもしれないので、自粛生活を少しでも楽しむ方法についてまとめてみました。

・マイペースで、ルーティーンを作る
・自分の専攻とは違う文献や図書を読んでみる 脳の活性化/発散思考
・猫背にならないこと。姿勢を正したり、PCやスマホから適度に離れたりしてみる
・観葉植物でリラックスした空間を作る 
・自分だけの空間を作る。物だらけの机はNG。机を整理整頓して頭をスッキリさせる
・生活リズムを崩さないよう、早めに就寝し、早めに起きる
・感染対策は大前提で適度に散歩する
・友達、両親とお喋りする。ストレス解消
    
以上の内容で初回のセミナーを開催いたしましたが、少しでも参考になれば嬉しいです!
次回のセミナーへのご参加をお待ちしております!


LALAセミナーレポ「はじめての研究生活:大学院生に向けて」(前編)

20210521日(金)
みなさん、こんにちは。
LALAのカンです。

5月19日に「はじめての研究生活:大学院生に向けてというテーマで、今年度の初回セミナーを開催いたしました!

新型コロナの影響で世の中が大変なことになってしまい、私たちの大学生活・研究生活も色々なことが変わりました。
以前のように登校できなくなったり、好きなように図書館や研究室で自習できなくなったりしてしまったことは辛いですが、自粛中になるべく充実した研究生活を過ごしたいと思っている方が多くいらっしゃると思います。

また、入学したばかりで、ドキドキしながら何もわからないうちに研究生活がスタートし、やりたいことがいっぱいあっても、どこから何をすれば良いのか、悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
ということで、このようなテーマを設定して、これからの研究生活について一緒に話し合いながら考えられたらいいなと思っています。

当日は新M1の方、これから大学院に進学する希望のある学部生や研究生の方々が参加してくださいました。
ご都合がつかず、残念ながら参加できなかった方もいらっしゃると思いますので、こうしてセミナーについて報告させていただきます。
もし何かご意見やご質問がありましたら、是非コメントしてみてください!

当日は主に次の4つの内容を中心にお話ししました。
修士課程の研究生活の過ごし方(個人体験談)
文献検索ツール
研究生活に必要な参考書
新型コロナ禍の息抜きの方法


セミナーの配布資料はすでにMoodleに公開いたしましたので、ご関心のある方はご確認ください。
ここで簡単にセミナー内容をまとめさせていただきます。

修士課程の研究生活の過ごし方(個人体験談)
私自身の2年間の修士生活を振り返って、このような個人体験談の内容を作ってみましたが、「これは正解だ」「これで絶対的に行ける」のようなものではありません。
そのため、必ずしも同じ方法で進めていくわけではありません。
例えば、修士課程の一年目と二年目にそれぞれ何をすれば良いのか、修論はいつから書いたほうがいいのかを知りたい方に、ご参考までに、自分の経験を共有します。

M1前期は修論執筆のために専門知識を蓄積する時期だと思います。
個人的に、M1前期の時になるべく早い段階でやったほうがいいことは2点あると思います。
一つは、関心のある専門科目をなるべく多く履修することです。ただ履修しすぎると大変になるし、少なすぎるとM2の時に修論執筆と重なって辛いし、個人的には12〜14コ程度単位を取ったら、バランスがいいかなと思います。特に関心のある集中講義があれば、夏休みの時間も有効に利用できると思います。
もう一つは、自分で関心のある研究分野、特にこれから研究したい内容について、文系の場合は最低限50本程度の文献をレビューしたほうが良いと思います。レビューの時にただ読むだけではなくて、批判的に読んで、自分の思考を整理したら、これからどんな研究調査をしたいのか、どんな研究内容だったら新規性が高いのか、先行文献を読みながら考えておいたほうが良いです。

M1後期は修論執筆のために学術的文章力を高める時期だと思います。
M1前期の時にレビューした文献を参考にしながら、新規性を高めて研究計画書を書き直したほうが良いです。それと同時に、本調査に向けて、早めに倫理審査申請を準備しておいた方が良いです。倫理審査申請は研究分野によって異なりますので、指導教員の先生のご指示に従って準備しておいた方が良いです。基本的に審査手続きは数週間かかりますので、倫理審査申請が必要な研究調査の場合は、余裕を持って書類を準備しましょう。
倫理審査申請に関連するLALAブログがありますので、ご関心のある方は以下のURLへアクセスし、ご覧ください。
http://ocha-lala.org/blog-category-5.html

M2前期は研究調査実施・修論執筆の本番モードに切り替える時期だと思います。
修了に向けてM2の前期の時間を効率的に活用しなければならないと思っています。主に3つのことをしたほうが良いと思います。
一つ目は、早めに本調査を実施することです。質的研究と量的研究によって調査方法や調査実施期間が異なりますので、余裕を持って進行していくことが重要です。私自身の場合は質的研究のほうで、3ヶ月程度研究調査を実施したため、4月、新学期が始まったばかりの時すぐ調査を実施しました。ご自身の研究調査はどのくらい時間かかるか分かった時点で調査協力者を募集したり、調査実施のスケジュールを立てたりしておいたほうが良いです。
二つ目は、本調査が実施すると同時に、収集したデータに合わせて再度分析方法を精緻化することです。既存研究を参考
にして、もう一度分析方法の妥当性を検討します。ここで注目したいことは、手法がなく、自分が欲しい結果を作り出すような、恣意的に分析することはダメだということです。
三つ目は、少しずつ修論前半の内容を執筆し始めることです。研究調査を実施している途中でもいいし、データ分析の途中でもいいので、もし時間的に余裕があれば、少しずつ先行研究の内容をまとめたほうが良いです。そうすれば、M2の後期は少し楽になると思います。特に博士進学希望がある方は、M2前期の時間を十分に活用する必要があると思います。

M2後期は研究調査結果の分析と修論完成など、仕上げの時期だと思います。
結果の分析の際に常に妥当性と合理性を心がけて、必要に合わせて指導教員の先生に相談しておいたほうがいいと思います。
そして、修論を書く時は書きたいことについてどんどん書くので、途中で内容がずれたり、内容の一貫性にかけたりしてしまうので、書きながら既に書いた内容について、常にふりかえって確認したほうがいいです。
もちろん、第三者からの指摘も必要です。


続編は後日に公開いたします!

Mendeley機関版を利用しよう!

20210511日(火)
こんにちは、LALAの萌子です。

突然ですが、みなさん、こちらのニュースは見ましたか?
メンでレー

\(^o^)/
これまでも無料版で快適に使えていたのですから、
アップグレードということで、かなり期待です。
(Mendeleyの概要については過去のMendeley関連記事へ)
文献管理プログラム (Citation Managers) を使ってみましょう



無料版から機関版で何が変わるのか、公式HPには以下の説明があります。

Mendeley機関版(Mendeley Institutional Edition)は機関向けの製品で、無料版で利用できる機能に加えて、研究者と図書館に強力な追加機能を提供します。
Mendeley機関版は、無料版で利用できる機能に加えて、個々の研究者向けにはアップグレード(ディスク容量とグループ機能)、図書館向けには統計機能を提供します。


具体的な変更内容を見てみると...
メンでレー2
最大はなんといっても個人用容量の大幅拡大ですね。
SDカード、USBで98G分を買うと考えたら、差は歴然です。
これを学生という身分のおかげで個人契約せずに利用できる
と知ってしまった以上、やらない理由はありません。

もう一度図書館HPに戻りますが、
すでにMendeleyのアカウントをお持ちの方も、学内のネットワーク環境からログインすると自動的に機関版にアップグレードされます。
ということだったので、早速試してみました。

ocha wifiに繋げた状態でインターネットへ行き
これまで使用していたIDとPWを入力してログインしてみました。
すると1秒もたたずにMendeleyからメールが。
mendeley3.png
アップグレードに成功したようです!

さて、気になるのはここから。
他のデバイスからログインしてもちゃんと機関版にアップグレードされているかです。
今度は家のwifiからMendeleyにログインしてみました。
メンでレー4
しっかり個人用容量が100GBに増えていました。
期限も11/5/2022とちょうど1年後になっています。
一度ログインするだけでアカウントが機関版と認識され
それ以降はどこからでも使用できるようです。

図書館HPには
機関版の利用開始後12ヵ月間学内からアクセスしなかった場合、無料版への切り替えを薦めるメールが届きます。引き続き機関版を利用した場合は、学内からログインをしてください。
とあるので、とりあえずの契約期限2024年3月31日までであれば何度でも更新ができます。

現状、プロキシーサーバー経由ではできないとのことです。
なので、大学にいく用事が会った際にでも、思い出して試してみてください。

最後に・・・
2024年度以降、機関版を引き続き契約するかはまだ決定していないそうです。
使ってみて、Mendeleyが使いやすいようだったら
積極的に周りの人にもお勧めしてみてください!
使う人が増えれば、大学も契約延長の判断がしやすくなるかもです。

ではでは、

#萌子 #文献管理

学外から利用できる電子リソース

20210506日(木)
こんにちは。LALAの萌子です。

GWが終わってしまいました、、、。
高校、大学のころは寝れば寝るほど幸福度が増していく人生でしたが、
最近は寝すぎると身体が痛くなって、「趣味は寝ることです」とも言えなくなってきました。
20代半ば過ぎれば右肩下がりという言葉は本当だったんだと日々痛感しています。

5月病にかかる要素もない日々を送っているわけですが、
LALAとしてはこの日々の中でいかに大学生活、特に学業を不具合なく過ごせるかを
みなさんと引き続き考えていきたいと思っているので、よろしくお願いします!

前回は2本立てで、セミナー「コロナ禍でもできる社会調査」の終了レポートを書きました(前半後半)。
このセミナーでは主に対ヒトの調査に重点をおいてお話ししため、該当しない方もいたかもしれません。
そこで、今回は文献調査寄りのお話しをしたいと思います。
参考にするのは、年明けに図書館が更新した「学外から利用できる電子リソース」です(こちら)。
これを参照しつつ、在宅でも大学のリソースを活用する方法を見ていきたいと思います!

オンライン授業になってから不便になったと感じることの一つが、
大学に行かなくなったせいで図書館の蔵書をはじめとする
大学の持つ文献にアクセスする機会が減ったということではないでしょうか。
そうした中でぜひ活用したいのが「電子リソース」と呼ばれるものです。
電子リソースとは、電子ブックや、電子ジャーナル、データベースなどのことを指します。

「私は絶対、紙派!」という方も多くいるとは思いますが
ジャーナルまるまる一冊入手するのではなく、目当ての論文一本あればいい、という時や、
そもそも電子版でしか公開していない文献などを入手するには、
まず一旦、PDFファイルなりでアクセスできなくてはなりません。
しかし、家から検索していてやっと見つけたというのに、
アクセス権がありません」とか「ログインしてください」とかではねられ、
閲覧・ダウンロードできなかったことはありませんか?そこで諦めてしまったことは?

論文の中にはopen acessといって誰でも閲覧できるように公開されているものもありますが、
基本的にはジャーナルとして出版しているものなので、自由に誰でもというわけにはいきません。
しかしそれだと学生は論文をほとんど見れなくなってしまう。
そこで大学は様々な論文リソースを提供するサービスと契約しています。
下の方法を取れば、お茶大が契約している範囲まで利用できるコンテンツを広げることができます。

お茶大図書館のHPでいうと、
ホーム画面上の5つのタブの真ん中にある「学習・研究サポート」にカーソルを合わせると
一番上に表示される「電子リソースを学外から利用する」が参考になります。
今後よく使うことになるのであればブックマークしておくと便利です。
こちら→ https://www.lib.ocha.ac.jp/remoteappli.html

電子リソースを学外から利用する方法は3つ
⑴ 学認による利用
⑵ お茶大プロキシサーバー経由による利用
⑶ 学外アクセス専用アカウントでの利用

いずれの方法でもアクセスできるものから、一つの方法からのみアクセスできるリソースもあります。
利用したいサービスに合わせて方法を組み合わせながら活用してみてください。

個人的にお勧めなのは、⑵の方法です。
一度サーバーを経由すれば、
学内のインターネットに接続しているときとほとんど条件が変わらないので、
いっきにさまざまなリソースを利用する際はこちらが効率的です。

また、新型コロナ感染拡大の状況を考慮して、
一時的にサービスを拡大しているデータベースも記事では紹介されています。
⑴ SciFinder【2021/6/7まで学外からもアクセス可能】
⑵ JSTOR【一部の契約外ジャーナルを2021/6/30まで利用可能】
⑴は主に理系の学生が使うことになるとは思いますが
関心に合えばこういった形で利用できるサービスにもアンテナを張っておくといいです。



電子リソースは論文以外にもデータベースが含まれます。
その中で私がお勧めしたいのが「新聞記事検索」です。
図書館のHPでいうと、上から5番目の「ニュース記事」から行けます。
データベース

お茶大が契約しているのは、朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞の3社のデータベースです。データベース2

新聞社によって何年から現在までのデータを公開しているかは異なりますが
特定のワードが年代ごとにどのように扱われているのか
を分析する際にはうってつけの方法です。

私も学部の卒論でLGBTコミュニティを扱った際
「同性愛」、「性的少数者/性的マイノリティ」、「性の多様性」...etc.
で検索をかけ、記事の内容を分析しました。
地域ごとであったり、フィルターも複数用意されているので
さまざまな条件のもとで記事を収集することができます。
PDFで落とせる記事もたくさんあるので、データの管理もしやすいです。
根気のいる作業ではありますが、巣ごもり中にぜひチャレンジしてみてください。

今回はここまでにします!
プロキシーサーバーを経由する方法さえ習得すれば
いままで大学でしかできないけど、それだけのために行くのもなあ
と足が遠のいていた情報収集もサクサクと進むはずです。
お試しあれ。

#萌子 #情報検索