LALA文庫紹介!『音楽の文章術 Writing about Music』

20190510日(金)
こんにちは🌺 新人LALA(金曜日担当)の、林いのりと申します(^∇^)
専攻は比較社会文化学(領域は表彰芸術論)で、博士後期課程1年生です。お茶大には修士課程からやってきましたので、今年で3年目です。お茶大について私も日々勉強中ですので、どうぞ宜しくお願いしますp(*^-^*)q

さて、今日は自己紹介代わりに?、私の専門である音楽学に関連した1冊をご紹介したいと思います。
特に、音楽分野で文章を書く方にお薦めですが、どの分野の方でも参考になる1冊だと思います。

LALA文庫 C-14
音楽の文章術 Writing about Music : An Introductory Guide
リチャード・J・ウィンジェル 著
宮澤淳一、小倉眞理 訳

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一般図書にもあります (760.7/W76)

この本の凄いところは、

とにかく具体的!痒いところに手が届く。
本文よりさらに具体的!これさえあれば大丈夫、な巻末付録
英文での執筆作法についての知識がつく

です! 順番にご説明しますと・・・

①とにかく具体的!痒いところに手が届く。

音楽のような芸術分野は特に、受容するにしても発信するにしても、個人の感覚で判断するという性質が強いため、なかなか多くの「他人」に向かった、説得力のある文章を書くことは難しいです。
この本は、アメリカの音楽大学や普通大学の、音楽に関する授業での、論文やレポートの執筆方法について、非常に具体的に解説してくれています。例えば・・・

☆テーマの絞り方(どこまでリサーチすればいいの?)
☆情報収集の仕方(JSTORのような電子媒体にも対応した解説)
☆書式(良い例、悪い例)
☆言葉づかい(良い例、悪い例)
☆参考文献、資料の書き方

「テーマ設定」から「参考文献一覧表」まで、これに沿って書いていけばレポートが書けてしまう気がしてきませんか?(((o(*゚▽゚*)o)))


②本文よりさらに具体的!これさえあれば大丈夫、な巻末付録
本文だけでも素晴らしいのに、一見の価値あり!なのは巻末の3つに分かれた付録です。

付録A :レポートの実例
付録B :参考文献一覧の実例
付録C :レポート執筆に参考になるサイトや文献の紹介

実際の模範的な執筆例を、横に解説を加えながら示してくれています。
書式で混乱しがちな「参考文献一覧」は、アメリカを中心に広く採用されている、シカゴ・マニュアルに則っています。


③英文での執筆作法についての知識がつく
著者はアメリカ人ですので、「英語での執筆例」の添削が豊富にのっているところも、本書の大きな魅力です!そしてさらには!翻訳者による、「日本語の場合ではここに気を付けて」という注釈までついているのです。1例をご紹介します♪

☆ アドバイス「装飾語に依存してはいけない」
  ➡ 副詞(somewhat, virtually, literally, perhaps、等)を減らすと引き締まった文章になる。
!日本語の場合
  ➡ 強調の修飾語は不要。非常に、極めて、決して~ではない、等は削った方が、主張の説得力が増す。

このように、英語と日本語両方の執筆作業を助けてくれるのです!


長くなりましたが、出会いが早ければ早いほどお得な、それでいて私のような博士後期課程の学生にも大変参考になる1冊です
ぜひ、気になるところを少しだけでも、LALA文庫に立ち寄って読んでみて下さいね。

#林 #LALA文庫