自己紹介:小林

20190703日(水)
こんにちは!LALAの小林です。
遅ればせながら、自己紹介を兼ねて私の研究についてご紹介いたします。

研究対象

nigaoe_soren_kierkegaard.png
専攻は哲学で、19世紀デンマークの思想家・キルケゴールを研究しています。
キルケゴールはニーチェと並び「実存主義」の創始者と言われる思想家。
性格は皮肉屋でロマンチストで理想が高くて神経質で論争的と、とにかくひねくれてます。
哲学史的には、「倫理や宗教の問題は生きている私たち自身(実存)と関係しているものであって、論理だけで解決できるものではない」と主張したことで評価されている人物です。


研究背景:キルケゴールブームとその弊害

キルケゴールは倫理と宗教の問題領域と純粋な学問の領域を様々な仕方で区別しましたが、
基本的に、純粋な学問は合理的に物を考えて全ての人に共通な答えを出すもので、
倫理と宗教は個々人がどんな選択をするかが重要だとして
理性非理性の対立構造で語りがちです。

キルケゴールが流行った20世紀のヨーロッパは、世界大戦の影響で伝統的な価値や合理主義への信頼が崩れ始めてきていました。
そんな中で、キルケゴールの思想は「皆に共通の真理などない!個々人の選択が大事なのだ!」という時代の声を反映したスローガンのように受け取られたのでした。

一方で、こうしたキルケゴールの思想は「自分の考えだけを真理と思い込むエゴイズムだ!」という批判も受けました。
とりわけ、キルケゴールが最も理想的とみなす宗教的な生き方では、神に息子を殺すことを求められたり(cf.アブラハム)、この世の社会から迫害されて死ぬことが良しとされたりと、社会から逸脱したおどろおどろしい話がたくさん出てくることもあり、神と自分の救済なら何してもいい危険な個人主義だと見なされることがしばしばありました。


研究内容:キルケゴールを通して宗教について考える

そうしたキルケゴール=個人主義者という「偏見」にたいして、「いやいやそんなことないぞ!!」という新しい解釈を出すのが私の研究です。
キルケゴールの「過激な」宗教思想は、昨今の宗教がらみのテロとの関連で批判されることも多いので、キルケゴールを読み深めることで、現代の宗教問題や宗教と社会の関係を考えるヒントも見つかるのではと思っています。
「きっと何かいいことをいっているはずだから、私がそれを引き出してやるんだ!」というきもちで、日々クセの強い文献と格闘しています。




基本的には本を読みながら一人でうんうん悩むタイプの研究ですが、他人と話したり、自分の意見を伝えてみたりすると、ごちゃついていた考えが整理されたり、新しいことに気づいたりするものです。LALAではそんな思考の整理のお手伝いができたらいいなと思っています。

他にも、勉強していく中で「もっと早く知りかたかった!」ということがたくさんあったので、そういう便利な情報をどんどん共有していきたいなと思います。

小林は火曜13:00-15:00と、水曜13:00-17:00が担当です。
勉強の息抜き感覚で気軽に遊びに来てください!

コメント

非公開コメント