レポート執筆のバランス感覚
2017年05月12日(金)
「いいレポート」ってなんだろう?
いろいろな考え方があると思いますが、一つに「バランスが取れている」ということがあるのではないかと思います。
レポート課題には、「これについて書いてくださいね」というテーマがあります。
読む文献が指定されている場合もあります。
仮にテーマが自由だとしても、テーマ選択の範囲は必ず決められていることでしょう(大体はその授業で扱われる分野・領域ですね)。
このように制限された状況の中、いかに「普段からの問題意識」「疑問に思うこと」「訴えたいこと」「感じていること」etcを「主題」として組み立てて、一本のレポートに仕上げていくか、というのは、さながら一つの駆け引き・ゲームのようでもあります。
レポートを書く準備をしたり、実際に書いたりする際の姿勢には、
A「自分が言いたいことを軸にして、ふさわしい題材やアプローチを選ぶ」
B「定められた領域で問題とされていることを追っていきながら、自分の立場を固めていく」
の二つがあって、どちらかに偏るのではなく、相互のバランスが取れているのがいいのではないかなあ、と、個人的にですが、考えています。
主に得意不得意で分かれるかと思いますが、皆さんは、どちらのタイプに近いですか?
あるいは、どちらのタイプが好きですか?
Aの場合は、自分がこれまでの日常生活や学習の中で抱えてきた、考え続けてきた問題意識や意見、主張をレポートの「主題」に置くことを目的としているので、執筆までの準備は、
「ゴール」を念頭に置きながら、
論の組み立てや内容について
「擦り合わせていく」「辻褄を合わせていく」(あまりいい言葉ではないですが)
という作業に近くなるのではないでしょうか。
出来上がるレポートは、とても筋の通った内容になる可能性が高いです。独創性も申し分ないと思います。
しかし、自説に結論を持っていくために先を急ぎすぎたり、する必要のあった作業を飛ばしてしまう可能性も、とても高くなります。当然踏まえるべき基本的な理論、概念や押さえるべき先行研究を見落としてしまう可能性も高くなります。
自分の進めたいように作業を進めすぎていないか、「ゴール」にこだわりすぎていないか、を常に注意しながら取り組む必要があると思います。
Bの場合は、調べていくうちにどんどん面白くなっていって、テーマ周辺の先行研究や理論をどんどん掘り下げることができ、レポートに盛り込める内容の幅を広げ、厚みを持たせることができると思います。
穴を掘って水脈を探す作業に近いでしょうか。
掘り進めながら、新しく出てくるもの一つ一つに感動し、新しい発見をしていく。
この時気をつけたいのは、水脈を目指しているということーーそもそもの目的ーーを忘れないことです。
情報の山から離れ、途中で休憩など挟みながら、
「では、自分はここから何を見出すのか」
「最終的に何を言いたいと思うのか」
(「何を言えばいいのか」「何をいうのが正しいのか」ではなく)
を漠然とでもいいので、いろいろ探ってみるのがオススメです。
情報の山から必要なものを整理して、取捨選択するときの助けになります。
たくさん情報を並べて提示しても、その情報同士がどうつながっているのかがわかりにくいと、レポートの「主題」はぼやけてしまいます。「面白いと感じた」というところからもう一歩掘り下げて、「なぜ面白いと感じたのか」「どこにどう引っかかってしまったのか」を突き詰めていくと、情報収集や調査の中で知らずに目指していた「ゴール」が、だんだん見えてくるのではないでしょうか。
レポートの執筆期間は、たっぷりあるように見えて、実際のところそんなに多くはないのだと思います。
余裕のない中で両者の「バランス」をとることに気を配るのは難しいと思いますが、自分がどちらのやり方に近くて、今の作業にはどんな問題があって、完成しようとしているレポートにはどんな課題があるのか、というところはしっかり押さえておき、今後の宿題としたいものです。
こうした積み重ねが、卒論など、長期間かけて取り組む課題に生きてくるのだと思います。
私もまだまだまだまだ修業中です。
一緒に頑張りましょうね!
#みあ
いろいろな考え方があると思いますが、一つに「バランスが取れている」ということがあるのではないかと思います。
レポート課題には、「これについて書いてくださいね」というテーマがあります。
読む文献が指定されている場合もあります。
仮にテーマが自由だとしても、テーマ選択の範囲は必ず決められていることでしょう(大体はその授業で扱われる分野・領域ですね)。
このように制限された状況の中、いかに「普段からの問題意識」「疑問に思うこと」「訴えたいこと」「感じていること」etcを「主題」として組み立てて、一本のレポートに仕上げていくか、というのは、さながら一つの駆け引き・ゲームのようでもあります。
レポートを書く準備をしたり、実際に書いたりする際の姿勢には、
A「自分が言いたいことを軸にして、ふさわしい題材やアプローチを選ぶ」
B「定められた領域で問題とされていることを追っていきながら、自分の立場を固めていく」
の二つがあって、どちらかに偏るのではなく、相互のバランスが取れているのがいいのではないかなあ、と、個人的にですが、考えています。
主に得意不得意で分かれるかと思いますが、皆さんは、どちらのタイプに近いですか?
あるいは、どちらのタイプが好きですか?
Aの場合は、自分がこれまでの日常生活や学習の中で抱えてきた、考え続けてきた問題意識や意見、主張をレポートの「主題」に置くことを目的としているので、執筆までの準備は、
「ゴール」を念頭に置きながら、
論の組み立てや内容について
「擦り合わせていく」「辻褄を合わせていく」(あまりいい言葉ではないですが)
という作業に近くなるのではないでしょうか。
出来上がるレポートは、とても筋の通った内容になる可能性が高いです。独創性も申し分ないと思います。
しかし、自説に結論を持っていくために先を急ぎすぎたり、する必要のあった作業を飛ばしてしまう可能性も、とても高くなります。当然踏まえるべき基本的な理論、概念や押さえるべき先行研究を見落としてしまう可能性も高くなります。
自分の進めたいように作業を進めすぎていないか、「ゴール」にこだわりすぎていないか、を常に注意しながら取り組む必要があると思います。
Bの場合は、調べていくうちにどんどん面白くなっていって、テーマ周辺の先行研究や理論をどんどん掘り下げることができ、レポートに盛り込める内容の幅を広げ、厚みを持たせることができると思います。
穴を掘って水脈を探す作業に近いでしょうか。
掘り進めながら、新しく出てくるもの一つ一つに感動し、新しい発見をしていく。
この時気をつけたいのは、水脈を目指しているということーーそもそもの目的ーーを忘れないことです。
情報の山から離れ、途中で休憩など挟みながら、
「では、自分はここから何を見出すのか」
「最終的に何を言いたいと思うのか」
(「何を言えばいいのか」「何をいうのが正しいのか」ではなく)
を漠然とでもいいので、いろいろ探ってみるのがオススメです。
情報の山から必要なものを整理して、取捨選択するときの助けになります。
たくさん情報を並べて提示しても、その情報同士がどうつながっているのかがわかりにくいと、レポートの「主題」はぼやけてしまいます。「面白いと感じた」というところからもう一歩掘り下げて、「なぜ面白いと感じたのか」「どこにどう引っかかってしまったのか」を突き詰めていくと、情報収集や調査の中で知らずに目指していた「ゴール」が、だんだん見えてくるのではないでしょうか。
レポートの執筆期間は、たっぷりあるように見えて、実際のところそんなに多くはないのだと思います。
余裕のない中で両者の「バランス」をとることに気を配るのは難しいと思いますが、自分がどちらのやり方に近くて、今の作業にはどんな問題があって、完成しようとしているレポートにはどんな課題があるのか、というところはしっかり押さえておき、今後の宿題としたいものです。
こうした積み重ねが、卒論など、長期間かけて取り組む課題に生きてくるのだと思います。
私もまだまだまだまだ修業中です。
一緒に頑張りましょうね!
#みあ