LALA文庫のおすすめ本紹介『「文化系」学生のレポート・卒論術』
2017年07月31日(月)
渡辺潤+宮入恭平編著『「文化系」学生のレポート・卒論術』
(青弓社、2013年4月)
LALA文庫No.B4
図書館の請求記号:816/B89

なんだか可愛らしい表紙が目に入ります。
そして、むむむ…「文科系」ではなく、「文化系」!?
なんだろう(*゚Q゚*)
ひっくり返してみると、音楽やファッションや映画といった、身近な文化を取り上げる文科系学部の学生が増えていることに着目した文章・研究指南本だということが書いてあります。
文章指南のパートは、哲学者の書いた文章の書き方の本から引用されていたり、自分なりの特徴を持ったいい文章を書くためには、手本となる文章を見つけて、書き写す地道な努力が近道になる、と述べられていたり…私がこれまでご紹介してきた本とは、少しテイストが違います。
(過去記事参照)
・『ぎりぎり合格への論文マニュアル』
・『これから研究を書くひとのためのガイドブック』
・『コピペと言われないためのレポートの書き方教室 3つのステップ』
どの本も、学生が手に取りやすく読みやすいように、ユーモア、語りかけるように学問の楽しさを伝える、コンパクトにぎゅっと伝える・基礎の基礎から丁寧に解説する、など、何かしらの「やわらかさ」を持っています。
この本の「やわらかさ」は、レポートや卒論を一つの「作品」のように捉える視点かもしれません。
文章は読み手に自分の考えをわかりやすく伝えるためのものですが、同時に文章そのものも書く人によって違う味わいを持つものになります。
この「味わい」を身につけることも含めて指南する目線は、やはり「文化系」ならではです。
後ろの方のページを見ると、分担執筆された研究者の方の略歴が載っています。
そう、この本は、たくさんの先生方が分担してお書きになっているのです。
「使えそうなコンセプト」(消費、アイデンティティ、ジェンダー、政治、コミュニティetc)
「役立ちそうなトピック」(音楽、ファッション、スポーツ、アニメ、アイドルetc)
「参照したいデータ」の各章では、項目ごとに専門の先生が執筆されています。
各項目では、解説の他に、その分野の入門書の紹介などもされています。
コラムをお書きになる先生もいらっしゃいます。
「卒論の進め方」「レポートを書くための技術」など、短いですが、立ち寄った研究室でふっと先生のお人柄を垣間見るような、印象的な文章です。
コミュニケーションやメディアに関する領域をご専攻されている方が多いですが、映画論、音楽社会史、余暇論・遊戯論、文化地理学、コンテンツ文化史、といった、初めて目にする、耳にするような学問領域の方もいらっしゃいます。
編著者の宮入先生は、ミュージシャンでもあるそうです。
各先生方の論文や著書の紹介もあります。
私は、「教育とコンクール」「学校空間の力学」という二つの論文と、『物語を旅するひとびと』『江戸の祈り』という二つの書籍に関心が湧いて、書籍はWebcat Plusで、論文はCiNiiで調べてみました!
こんな風に、興味のある研究者・学問領域・論文・書籍と出会えます。
また、本文中に登場した語を調べられる索引も付いていますが、みたところ、要点だけでなく、本文中に出てきた用語、流行語、人名、書名などが幅広く押さえられているようです。
図書館やインターネットを何年間かふらふらしているとどこかでふっと辿り着くような言葉がいっぱい、という印象を受けました。
日頃触れている「文化」に深く関わっている言葉を意識的に知っておくためにも便利な索引だと思います。
何かと出会い、つながることができる楽しい入門書です。
#みあ
(青弓社、2013年4月)
LALA文庫No.B4
図書館の請求記号:816/B89

なんだか可愛らしい表紙が目に入ります。
そして、むむむ…「文科系」ではなく、「文化系」!?
なんだろう(*゚Q゚*)
ひっくり返してみると、音楽やファッションや映画といった、身近な文化を取り上げる文科系学部の学生が増えていることに着目した文章・研究指南本だということが書いてあります。
文章指南のパートは、哲学者の書いた文章の書き方の本から引用されていたり、自分なりの特徴を持ったいい文章を書くためには、手本となる文章を見つけて、書き写す地道な努力が近道になる、と述べられていたり…私がこれまでご紹介してきた本とは、少しテイストが違います。
(過去記事参照)
・『ぎりぎり合格への論文マニュアル』
・『これから研究を書くひとのためのガイドブック』
・『コピペと言われないためのレポートの書き方教室 3つのステップ』
どの本も、学生が手に取りやすく読みやすいように、ユーモア、語りかけるように学問の楽しさを伝える、コンパクトにぎゅっと伝える・基礎の基礎から丁寧に解説する、など、何かしらの「やわらかさ」を持っています。
この本の「やわらかさ」は、レポートや卒論を一つの「作品」のように捉える視点かもしれません。
文章は読み手に自分の考えをわかりやすく伝えるためのものですが、同時に文章そのものも書く人によって違う味わいを持つものになります。
この「味わい」を身につけることも含めて指南する目線は、やはり「文化系」ならではです。
後ろの方のページを見ると、分担執筆された研究者の方の略歴が載っています。
そう、この本は、たくさんの先生方が分担してお書きになっているのです。
「使えそうなコンセプト」(消費、アイデンティティ、ジェンダー、政治、コミュニティetc)
「役立ちそうなトピック」(音楽、ファッション、スポーツ、アニメ、アイドルetc)
「参照したいデータ」の各章では、項目ごとに専門の先生が執筆されています。
各項目では、解説の他に、その分野の入門書の紹介などもされています。
コラムをお書きになる先生もいらっしゃいます。
「卒論の進め方」「レポートを書くための技術」など、短いですが、立ち寄った研究室でふっと先生のお人柄を垣間見るような、印象的な文章です。
コミュニケーションやメディアに関する領域をご専攻されている方が多いですが、映画論、音楽社会史、余暇論・遊戯論、文化地理学、コンテンツ文化史、といった、初めて目にする、耳にするような学問領域の方もいらっしゃいます。
編著者の宮入先生は、ミュージシャンでもあるそうです。
各先生方の論文や著書の紹介もあります。
私は、「教育とコンクール」「学校空間の力学」という二つの論文と、『物語を旅するひとびと』『江戸の祈り』という二つの書籍に関心が湧いて、書籍はWebcat Plusで、論文はCiNiiで調べてみました!
こんな風に、興味のある研究者・学問領域・論文・書籍と出会えます。
また、本文中に登場した語を調べられる索引も付いていますが、みたところ、要点だけでなく、本文中に出てきた用語、流行語、人名、書名などが幅広く押さえられているようです。
図書館やインターネットを何年間かふらふらしているとどこかでふっと辿り着くような言葉がいっぱい、という印象を受けました。
日頃触れている「文化」に深く関わっている言葉を意識的に知っておくためにも便利な索引だと思います。
何かと出会い、つながることができる楽しい入門書です。
#みあ