他言語の相手と文献

20171211日(月)
こんにちは。ナターリアです。 

 今回このテーマについて書くことにしたのは、研究を行う皆さんには調査などで外国語を使う人もいらっしゃると思いますし、また、論文などを書く際、外国語の文献を読んで理解したことをまとめて自分の論文で用いることがよくあると思ったからです。

 なぜ他の言語を話す相手や文献を理解することは難しいのでしょうか。そして、なぜ誤解は起こるのでしょうか。

「言語」とは、語彙、発音、文字、文法だけではないですね。こうしたものは勉強すれば覚えられますが、一番難しいのは、ネイティブの話し方を理解し、そして、自分の話し方を意識的に相手の言語の使い方に合わせて使うことのではないかと思います。
話し言葉の場合、文化の一部である非言語的なアスペクト(ジェスチャー、表情、気持ちを表しているイントネーション)はお互いの理解に対して大きな影響を与えると思います。その際に、無理解や誤解が起こることがあります。

 しかし、書き言葉の場合でも、文化的な背景の違いなどにより互いの理解が難しくなることがあります。
話し言葉も書き言葉も、母語話者の話し方、考え方が反映されているという説があります。以下の図を御覧いただければわかりやすいと思います。

 まずはOriental言語についてご説明します。
oriental.png
 Orientalには、日本語を含めたアジア系の言語が含まれます。Oriental言語を話す人はこの図のような話し方をするようです。長く、曖昧で、テーマを遠くから始めて少しずつ本題に近づいていく話すスタイルなので、他言語話者にとって話の本質を捕まえにくいです。

 次は、Englishの図ですが、↓の形のように、とてもストレート、はっきり、本題をクリアに説明する話し方をする意味を表しています。
english.png

 この図からもわかるように、日本語ネイティブと英語ネイティブの話し方はあまりにも違うため、お互いに自分の考え方を分かりやすく伝えるのは、なかなか難しく見えますね。

 ちなみに、他の言語を母語とする人の話し方も違います。

 例えば、私の母語であるロシア語です。
russian.png

 始まりと終わりの間に全く違うタイプの線があります。ロシア語ネイティブは話す時、英語のようにストレートに話さず、トピックを始めて、途中にテーマをいきなり変えることがよくあります。話者は冗談を交わしたり、経験したことについて意見交換をしたりしています。ロシア語ネイティブではない人から見たら、テーマに全く関係がない話のように見えますが、実際に、話しているロシア語話者は話中に出てくるテーマは全て繋がっているという意味で話しています。最後に忘れずにトピックに戻ってきて、本題を教えます。

 他には以下のような話し方があるようです。
semitic_romance.png

 興味がある方、詳しく調べて見てください。
 ちなみに、私はこの情報をロシアの文献に見つけましたが、話し方の図は下記の書物から引用しています。
Savignon S.J. Communicative competence. Theory and Classroom Practice. – McGraw-Hill, 1997.
図のタイトル:Dominant Patterns of Formal Written Discourse in Major Language Groups.

#ナターリア